What is wood log shiitake

Environmental conservation and biodiversity

  • “Reforestation”森を守る

    原木椎茸栽培は、樹齢15〜20年のコナラやクヌギなどの広葉樹を使います。 毎年シイタケ原木として伐採された森では、切り株から新しい芽が出てきて、 CO2を積極的に吸収しながら再び元気に成長し始めます。 これを萌芽再生と言います。このように、一定のサイクルで広葉樹の森がリサイクルされることによって里山の自然環境は健全に維持されています。 原木シイタケを栽培して、それを消費することは森林の保護と地球温暖化の防止につながっています。
    しかし、里山の樹木の利用は、嘗てのような燃料としての薪や炭の利用の消失に加えて、原木シイタケ栽培の生産縮小などによって急速に減退しています。そのため、伐採されずに長年放置されたままの広葉樹の森や山が年々増えたことによって、松枯れやナラ枯れ病が発生し、里山の自然の恵みや様々な環境保全機能が壊れ始めていて、そうした現象は新たな環境問題、社会問題化しつつあります。

  • “Protect biodiversity”生物多様性を守る

    広葉樹の森には、秋になるとコナラやクヌギなどのようにドングリや木の実をつける樹種がたくさんあります。それらは野生動物に大変貴重な食糧を提供しています。
    その一方で、森は野生動物を始め大小さまざまな生き物たちが安心して暮らせる空間を提供しています。そして、森の中では落ち葉や倒木、動物たちの糞や死骸などをきれいに掃除してくれる、キノコなどのたくさんの微生物がいます。彼らは有機物を分解して無機物に還元する大事な仕事をしています。それによって森は持続再生可能な状態が保たれています。
    そう、森は、その恵みで実にたくさんの生き物たちの生活を支え、同時に多種多様な生き物によって森の健康が維持されています。 豊かな森はまさに生物多様性の象徴と言えるでしょう。

  • “Enrich the sea”海を豊かにする

    元気な森や山には雨水を貯めるダム機能があります。それらは安全で美味しい飲料水だけでなく、下流域に広がる田畑を灌漑して農業を支えるための安定した水源となっています。
    ところで、豊かな海の秘密が森にあることをご存知ですか?
    広葉樹の森が秋になると、たくさんの葉や木の実が地面に落ちます。 やがて、きのこなどの菌類によって分解され、ミネラルや栄養分になり、雨とともに地下や川を通って海に運ばれます。 そして、海の生き物に餌を与える植物プランクトンを繁殖させ、おいしい貝、エビ、魚をたくさん育てます。
    「私はこの森と海を守っています」と、 ある原木シイタケ栽培者が誇らしげに教えてくれた。

Contribution to food

  • シイタケ、エリンギ、マイタケ、エノキなどの日本の栽培きのこは、食品として海外でも人気上昇中です。中でも、シイタケの美味しさは今では世界中で広く認められています。そのシイタケには、代表的な旨味成分のグルタミン酸の他に、グアニル酸と呼ばれるうま味成分を他のキノコより多く含んでいます。
    最近の研究によると、グアニル酸には人の味覚感受を高める効果があることが報告されています。そのグアニル酸とグルタミン酸(海藻、野菜など)又はイノシン酸(肉、魚など)を含む食品を一緒に食べると、その相乗効果により旨味が劇的に強化されます。
    つまり、シイタケなどのキノコをいろいろな食材と一緒に調理することで、料理の味を数倍アップさせることが期待できます。
    恐らく、シイタケなどキノコ類は、世界中のあらゆる料理の味をランクアップさせるスーパー調味料と言えるかもしれません。

Contribution to health

原木シイタケの健康効果

原木シイタケの健康効果

キノコは古くから食品や多くの病気の伝統薬として広く使われてきました。現在では、健康の維持と改善に有益な食品として認識されています。キノコには、健康・長寿効果や病気の治療などに効果があるとされている多糖類、特にβ-グルカンが豊富で、免疫を活性化する食品であることが特徴です。また、キノコは食物繊維を多く含み、カロリーが低いことから、健康食品としても人気があります。
また、そうした多糖類に加えて、必須アミノ酸、ミネラル、チアミンやピリドキシンなどのビタミン、エルゴステロールやビタミンD2などのさまざまな成分を含んでいるため幅広い薬理作用があり、さまざまな病気の予防に効果が期待できます。 さらに、キノコはフェノール類を多く含んでいるため、抗酸化作用のある食品でもあります。
これらの成分から、キノコの薬理作用は抗酸化作用、血圧降下作用、コレステロール低下作用、肝保護作用、抗炎症作用、抗糖尿病作用、抗ウイルス作用、抗菌作用など、キノコには非常にさまざまな機能があることが知られています。また、キノコは強力な薬理作用と薬のような即時効果を期待できない代わりに副作用はありません。
したがって、健康維持のためには、バランスの良い食事を規則正しく摂ることが重要です。
そして、劇的な薬効を期待するのではなく、健康に良いキノコ類を毎日食べ、生活習慣病の予防に結びつけることをお勧めします。

Cultivation of wood log shiitake

  1. 原木の伐採

    • 原木シイタケの原木は、主にどんぐりのなる木、クヌギやコナラを利用します。各地の山が紅葉し始めた頃、シイタケ栽培用の原木が伐採されます。山の木が伐採されることは、自然破壊だと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、ナラ・クヌギの林は15〜20年で更新できます。広葉樹林がシイタケ栽培の資源として増えることは水不足や水害を防ぐのはもちろんのこと、野鳥や小動物の住みやすい環境を作ることにもなり、正に自然を守り育てることへとつながります。

    • 伐採は木の根元付近から木を倒すように切ります。切り倒したまま置くと、葉からだんだんと水分が抜けていき、植菌に適した状態になります。葉枯らしの後、管理しやすいように90cm〜1mの長さに玉切り*をされ、12月〜4月位までの間に植菌作業が行われます。

      ※玉切りとは、伐採した木を、原木として利用できる長さに切断すること。

    • 切り倒したまま置くと、葉からだんだんと水分が抜けていき、そして木の切り株からは春、新しい芽が芽吹きます。これを萌芽更新(ぼうがこうしん)といいます。新しい芽は再びCO2を活発に吸収しながら元気よく成長し、それを繰り返すことで健康的な森が常に維持され、森林の荒廃の原因である山の手入れがなされるのです。 原木シイタケは森の木を有効に使う古くから伝統のある栽培方法です。原木シイタケを作ること、食べることは、日本の豊かな森林を守り、地球温暖化防止にも役立っています。

  2. 植菌

    • 植菌とは原木に種菌を植え付けることをいいます。植菌作業に入る前に生産農家では品種を選択します。シイタケにも他の野菜同様多くの品種があります。農家では発生時期や形質など色んな角度から自分の経営に合った品種を選びます。

    • 種菌の規格も経営形態で違ってきます。使用する原木の太さや初回目の発生の開始時期などでオガクズ菌・コマ・成型菌のどれを使うかを決めます。植菌作業は12月から4月位まで行います。椎茸栽培農家もこの時期が一番忙しく、家族を総動員して植菌作業に取り掛かります。作業の仕方も本伏せを行う場所の関係や使用する種菌の規格によって様々です。種菌を植えた原木を榾木(ほだ木)といいます。

  3. 仮伏せ

    • 植菌が終了した原木はシイタケ菌を活着させ、原木内に伸長・蔓延させる目的で仮伏せ作業を行います。厳寒期でもシイタケ菌が元気に伸びていけるように、仮伏せハウス内などで保温と保湿を図ります。山林内で行う場合も、害菌に侵されないよう風通しを良くしたり、直射日光が当たらないよう注意し、榾木を伏せます。

      ※活着とは、植菌したオガ菌やコマ菌の菌糸が原木に移り、伸長しはじめること。

  4. 本伏せ

    • 仮伏せの終わった榾木は、本伏せに展開します。展開場所は人工榾場か林内榾場が一般的です。ここでの管理は必要に応じて人工散水を行いながら、シイタケ菌が榾木を腐朽することを目的としています。

  5. 浸水

    • 計画的に人為的にキノコを発生させるためには発生操作が必要です。そのもっとも一般的な方法がホダ木を浸水することです栄養条件を十分に満たしている菌糸(栄養菌糸)に発生のスイッチを入れるための作業です。発生に必要な水分の補給(キノコの90%は水分)。

      スイッチの条件:温度刺激、水分刺激、物理的刺激

  6. 発生・収穫

    • キノコの発生量や発生時期は、使用した品種や榾木の質、管理方法などによって変化しますが、早いものであれば植菌年の夏から発生させます。夏場のシイタケもバーベキューなどに使われ需要が伸びています。生産者はシイタケの大きさや品質などの出荷規格に合わせて選別し、市場やスーパーマーケットなどに出荷します。

    • シイタケ栽培では、春や秋の自然発生によりキノコを収穫できますが、榾木を浸水させることにより定期的にキノコを発生させることができます。定期的に発生させることで、年間の発生量を多くでき、計画的に榾木を利用することができます。キノコは丁寧に一枚ずつ、柄を持ってもぎ採り収穫します。

  7. 販売

    • シイタケには、原木栽培と菌床栽培があり、こうした原木栽培で作られたシイタケには原木栽培とシールなどで表示されています。スーパーマーケットなどでこの表示を見かけられたら、ぜひともご賞味ください。